ニッケル・アンド・ダイムド -アメリカ下流社会の現実
ちょっと昔のベストセラーです。
タイトルのNickel and Dimedとは、5セント硬貨(ニッケル)と、10セント硬貨(ダイム)のこと、転じて「取るに足らない」という意味合いです。棄民政策のようなニオイを感じます。
訳者あとがきより:曽田和子 2005年「カトリーナ」の際、え、車がない?あの車社会のアメリカで?「車もガソリン代もない」ような低所得者たちは、東西冷戦終焉後、唯一の超大国となったアメリカに実は何百万人もいたのだ。同じアメリカに住む富裕層にとっても、自分たちの生活を底辺で支えてくれているはずの彼ら貧困層は「見えない存在」なのだという。
私も、そう思ったのですが、ハリケーン「カトリーナ」の際、車などの移動手段がなく、逃げ出せない人々が多くいるのを知ったのが衝撃的でした。
本書より、
全国平均で、ワンベッドルームのアパートメントを借りるためには時給8ドル89セントの収入が必要ということだった。公共政策のための実証分析センターは、一般的な生活保護受給者が「食べていける賃金」の職につける割合は、およそ98人に1人と見ていた。
そりゃ、そうだよな、時給5ドルとか6ドルじゃ、食ってはいけないよね。日本も、すでにそういう状況だけど、しかし、今回の金融メルトダウンでますます状況はひどくなりそうですね。
就職の前に必ず受ける、性格検査と、薬物の尿検査。医療機関でもないのに・・・屈辱的な方法で採尿を指示されることもあるらしい
p232店の成功はすべて私たち「仲間」にかかっていると教えられた。実際、制服の鮮やかなブルーのベストには、[われらがウォールマートは人こそ宝]と書いてある。だが、そのベストの下には、慈善に頼り、ときには施設収容される生活が隠されているのだった。
p290私たちが持つべき正しい感情とは恥じである。誰かが生活できないほどの低賃金で働いているとしたら、たとえば、あなたがもっと安くもっと便利に食べることができるためにその人が飢えているとしたら、その人はあなたのために大きな犠牲を払っていることになる。
などなど、一体どうしたらそんな状況になっちまったのだろう?
そのような状況を踏まえて、モノを買うにも、食事をとるにも、選挙に行くにも一つ一つの行動を大切にしなきゃいけないですね。
とにかく、ボッーとしてると否応なしに飲み込まれいく世の中です。
この本は今回の金融危機後にまたブレイクしそうな予感です。
でも、本当は『貧困大国アメリカ』堤未果(つつみみか) こっちの方おススメです。
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